Autonomous Abstraction, 宇宙から自分の存在まで連続する現象 / Autonomous Abstraction, Continuous Phenomena from the Universe to the Self

teamLab, 2022-, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: teamLab

Autonomous Abstraction, 宇宙から自分の存在まで連続する現象 / Autonomous Abstraction, Continuous Phenomena from the Universe to the Self

teamLab, 2022-, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: teamLab

自律抽象画。
点は固有の明滅と色相の周期を持つ。近い点同士は、互いに引き込み現象を起こし、近い点同士の明滅のリズムと色相が近づいていく。人々が点に触れると、点の明滅と色相のリズムが変化しバラバラになるが、近い点同士はまた引き込み現象を起こしていく。
各点は明滅ごとに一つの音色を響かせる。空間は、その音の連なりだけが鳴っており、音楽と感じる空間の音色は、その明滅の音色の連なりだけで形成している。

引き込み現象とは、異なるリズムが互いに影響を受けてそろっていくこと。壁にかかった2つの振り子時計の振り子が、だんだん揃っていくこと。1本の木にたくさんホタルが集まると、同じタイミングで点滅がはじまり、大きな光を作り出すこと。心臓を構成する細胞たちが同期して、同じタイミングで震えることによって、心臓の拍動が生み出されていることなど。物理現象、神経生理、生命系や生態系など多様な系で見られる。個々が全体を俯瞰する能力を持たないにも関わらず、個々の自律的な振る舞いの結果として、秩序を持つ大きな構造を作り出す現象である自己組織化であり、自発的秩序形成とも言える。

本来、宇宙ではエントロピー(無秩序の度合いを表す物理量)が極大化に向かうとされ(エントロピー増大の法則)、形あるものは崩れていくのが摂理だ。しかし、それにもかかわらず、太陽が生まれ、惑星が生まれ、生命が生まれ、社会が存在していることは、不思議である。宇宙や生命、自然や社会が成り立っているのは、無秩序に向かう中で、自己組織化という共通の現象によって、ひとりでに秩序が生まれ続けているからかもしれない。つまり、この宇宙も、自分の存在も、同じ現象によって連続的に生まれた秩序なのだ。