伏見櫓の円相 - 福山城 / Enso on the Fushimi Yagura Turret - Fukuyama Castle

teamLab, 2022, Digital Installation, Sound: Hideaki Takahashi

伏見櫓の円相 - 福山城 / Enso on the Fushimi Yagura Turret - Fukuyama Castle

teamLab, 2022, Digital Installation, Sound: Hideaki Takahashi

京都伏見城・松の丸にあったものを移築させた、国の重要文化財・伏見櫓(ふしみやぐら)。その伏見櫓に「円相」を永遠に書き続ける。

光で描かれる書の黒は、光がないことを意味し、数百年の長い時間による風化が生んだ石垣がつくる影と区別がつかない。書の黒と長い時間がつくる黒は一体となって、石垣に「円相」を永遠に書き続ける。
円相は、伏見櫓の物質的な境界面を曖昧にし、新たな時空を生む。

禅における書画のひとつ「円相」(円形を一筆で描いたもの)を空書で一筆で描いている。立体的に描かれた一筆は、回転することによって、円に見える瞬間が生まれる。
「空書」とは、チームラボが設立以来取り組んでいる空間に書く書のこと。書の墨跡が持つ、深さや速さ、力の強さのようなものを、新たな解釈で空間に立体的に再構築している。

禅において、円相は、古来は空中に杖などで円圏を描いて表されたりしてきた。そして、悟りや真理、宇宙全体、そして平等性を象徴的に表現したものとされる。 見る人の心を映し出す円でもあり、解釈は見る人に任せられる。