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不可逆の世界 / The World of Irreversible Change

teamLab, 2022, Interactive Digital Work, 6 channels, Endless, Sound: teamLab

不可逆の世界 / The World of Irreversible Change

teamLab, 2022, Interactive Digital Work, 6 channels, Endless, Sound: teamLab

この作品は、いつかの時代のどこかでもあり、今のここでもある。

作品世界は、現実世界と同じ時間の流れの中で、作品がある場所の日の出とともに朝が訪れ、日の入りとともに夜がはじまる。作品のある場所で現実に雨が降れば、作品世界も雨が降る。そして、草花は、季節とともに日々移り変わっていく。
人々の生活も、現実の時間帯や天候によって常に変わりながら、季節とともに祭や行事が行われていく。日々、様々な物語が加わっていきながら、人々の営みが恒久的に続いていく。

作品世界は、鑑賞者のふるまいの影響を受ける。鑑賞者が作品世界の人々に触れると、人々は反応するが、触れることが少しであれば、人々は日常に戻る。
しかし、連続的に人々に触れると、近くの者同士は争いをはじめ、殺し合いに発展し、やがて争いは町全体に広がり、町は火に包まれる。そして、炎は一年以上続き、人々は死に絶え、町は焼き尽くされる。

誰一人いない荒廃した町にも、現実の時間とともに、日が昇り日は沈み、春夏秋冬の時が流れ、数か月後には、焼け跡に新しい草花が芽吹く。
草花は、生まれ、咲き、散っていくのを繰り返しながら、現実の時間の流れで、日々移り変わっていく。そして、長い時間を経て、草木は深く生い茂り、花々の移ろいを毎年繰り返しながら、永遠と続いていく。

この作品は、世界が一度燃えはじめると、燃える前の世界をもう二度と見ることはできない。そして、鑑賞者もその結果の当事者である。