Order in Chaos
teamLab, 2026, Interactive Installation, Sound: Hideaki Takahashi
色のストロークは、全体を把握する中心も、外部からの指示も持たない。ストローク同士、そしてストロークと人々とのあいだに局所的に生じる単純な相互作用によって、無秩序へ向かう中で、ひとりでに秩序が生まれ続ける。
ひとつひとつのストロークは、時間的・空間的に離れていても、そこに秩序が生まれると、構成要素は時空間的な離散や可変性を超えて、ひとつの存在として現れる。表層的な形状や大きさが大きく変化し、構成要素が入れ替わったとしても、この時空間的存在は維持される。存在は素材の集積ではなく、秩序そのものである。
この存在は、無秩序の海の一部であり、やがて無秩序の海へと飲み込まれていく。しかしまた、無秩序の海から生まれ続ける。秩序と無秩序、存在と全体は、境界なく連続し、ぶつかり合い、混ざり合いながら、満ち引きし続ける。
本作は、画面の向こう側に空間を現すイリュージョンではない。実際の空間において、ストロークは、その表面上を動き続ける。壁や床は、鑑賞者と作品空間を隔てる境界面ではなく、作品空間そのものが成立する場である。
作品空間は、人々の身体がある空間と同一の座標系の中に存在する。鑑賞者は固定された一点から画面を見るのではない。身体を動かし、視点を移動させながら、秩序と無秩序が生まれ、崩れ、また生まれる時空間的存在の内部を経験する。
本作は、絵画を、完成されたイメージや遠近法的な空間のイリュージョンから、実空間と連続し、局所的な相互作用から自己組織化する時空間的な絵画空間へと拡張する試みである。